::: 相棒 season.1 ::: 刑事ドラマ・ミステリー ::: ★☆☆☆☆
クールな刑事と熱血漢の刑事という警視庁特命係の名コンビが難事件の解明に挑む。
::: season.1 no.03 ::: 2002年10月23日 放送歩道橋の上で暴力団員で麻薬の売人の加賀山の遺体が発見された。
所見では転落死となっているが、それならなぜ歩道橋の上に遺体があるのか。
捜査一課の伊丹らは対立している陳風偉=チェン・フォン・ウェイの仕業ではないか、と推理する。
ミステリ小説の世界では、落語を題材にしたものが多い。
ミステリドラマでは、というと、 『古畑任三郎』シーズン3での 「若旦那の犯罪」 が記憶にある。
売れっ子落語家扮する市川染五郎が、兄弟子の新作落語を盗んだことで口論となり、自殺に見せかけて殺害するという話。
『古畑任三郎』 は、倒叙形式で論理性の高いミステリとして定評があるが、個人的にはシーズン3の評価はいまいち。
特に 「若旦那の犯罪」 に関しては、シーズン1の傑作 「汚れた王将」 の焼き直しなのでは? と思うような話なので、評価が著しく低い。
しかしながら、後発である相棒版と比べてみると、 「若旦那の犯罪」 の方が論理性という意味では上かなと思える。
殺害動機においては、相棒版の方が現実的で納得できるが、殺害方法がご都合主義。
古畑が論理で犯人を追い詰めるのに比べて、相棒は、科学捜査で犯人を特定するというもの。
個人的には、科学的な物証を提示されるよりも、論証を突きつけられた方が心理的に納得できると思うし、ミステリとしても後者の方が好みのわたくしとしては、論理派の右京さんに似つかわしくない強引な脚本だったなと思う。
※ これ以降ネタバレしてます。元(?)コント赤信号の小宮孝泰が落語家として、そして犯人役として演じてました。
意外と演技が上手かったというか、自然だったのには驚きでした。
小宮演じる橘亭青楽が、暴力団の加賀山から、妻(大西結花)の過去の不祥事をネタに脅迫を受けていた。
ある夜、脅迫に耐えかねた青楽が歩道橋から加賀山を突き落とし殺害するという話。
もちろん倒叙形式ではないので、どんな論証、物証を右京さんが探し出すかがみどころなんですが、決め手がルミノール反応という科学的根拠というのは、いささかずるいような気がする。
さらに、何故ルミノール反応を調べる物が、青楽が大事にしていた手ぬぐいだったのかの説明がない。
犯人の服装や持ち物に被害者の血液が付着していたという可能性はあるが、右京さんはどういう理由で、手ぬぐいに目をつけたのかが謎。
現実の事件では、物証が全てであると言っても過言ではないが、フィクションではその逆でないと面白くない。
ルミノール反応が出たから、あなたが犯人ですと言うくらいなら、それまでの捜査過程はいらないし、観る必要性もない。
今回は、いちもにも無く脚本が悪いとしか言いようが無い。
そもそも、歩道橋の上から突き落としたのに、その後、わざわざ歩道橋の上まで加賀山を運ぶという犯人の行為が納得できかねる。
ドラマ上は、歩道橋から突き落としたがまだ生きていた為、被害者が早く第三者に発見されてしまうと困るという加害者の心理がそうさせたのだという理屈はよくわかる。
それが事故ではなく、殺人だと言える論証になることもわかる。
しかし、その設定自体が不自然だし、制作側の都合ではと思うのはわたくしだけでしょうか。。。
わざわざ歩道橋の上まで担ぐ手間を考えるんだったら、その場で首を締めた方が手っ取り早い。
どちらを選択しても他殺にしかならないなら断然後者を選ぶね。
また、麻薬の取引に失敗し、逃亡していた犯罪者が潜伏する場所として、寄席が都合が良いと張り込みする右京さんですが、この設定も無茶すぎる。
確かに、昔は映画館などが利用されていたのかもしれないが、映画館は暗い事が大前提ですよね。
寄席の会場は明るいですから、見るからに怪しい犯罪者が入ってきては余計一般客に怪しまれるので、絶対無理。
もっと自然な形で、転落死した人間が他殺であるという証拠を残せなかったのか、もっと自然な形で、麻薬が絡んだ事件と、歩道橋での殺人事件がリンクできなかったのか、と思わずにいられない。
それと、論証で犯人を追い詰めてからの決定打として物証を出して欲しかったと。。。
( ゚_ゝ゚) { 『真打になるまで、共に戦ってきた相棒ですから。』 捨てられないモノってあるんですね。。。