 |
::: 土曜ワイド劇場 ::: 法廷ドラマ・ミステリー ::: ★☆☆☆☆
深谷忠記の傑作長編ミステリーを原作に、水谷豊が弁護士役に初挑戦する。
::: 法律事務所 series 01 ::: 2006年08月12日 放送
群馬県梅ヶ原市の郊外で轢き逃げ事件が発生した。 被害者は滝川(阿部六郎)という老人で、事件後まもなく、県内で手広く事業を展開している元警察官の堀内(平泉成)が逮捕された。 数日後、やはり群馬県の片田舎で茸の研究に取り組んでいる牧宏(水谷豊)のもとに、東京から弁護士の浅羽涼子(鈴木杏樹)が訪ねてくる。 牧は、10年前までは涼子の父が設立した弁護士事務所に所属する弁護士だったのだが、今は弁護士とは全くかけ離れた生活を送っていたのだった。 涼子によると、轢き逃げ事件の被告・堀内が無罪を主張し、牧に弁護を依頼してきたと言うのだ。 牧と堀内、そして被害者の滝川との間には16年来の因縁が横たわっていた…。
土曜ワイド劇場、水谷豊主演の新シリーズ 『法律事務所』 です。 元々は、鳥羽亮原作の “探偵事務所” シリーズを放送していたのですが、そのストックが無くなったことで、 『相棒』 が制作されることになった。 ところが、この作品は人気も視聴率も高く、連続ドラマとして放送されることとなり、水谷豊に用意された新たな2時間枠として、深谷忠記原作の法廷ミステリー小説が “法律事務所” シリーズとして制作された。 深谷忠記は、旅情ミステリーも書いてますが、世評が高いのは、社会派ミステリーだそうです。
『相棒』 の杉下右京役がハマり役なだけに、土ワイの新キャラはどうなんだろうと気になった。 見た途端、やっぱり違和感がありましたね。(笑) TVで見る水谷豊は、イコール右京役であり、スーツ姿で、オールバックの黒髪に、眼鏡をかけているというスタイルばかり見ているせいか、ラフな服装に、ちょっと茶髪で、眼鏡なしの水谷豊は、なんだか変な感じでした。(笑) 役柄としても思わず右京さんっぽい口調や、動きになったりするのかとチェックしてたんですが、さすがは役者なだけあって、牧宏という弁護士を完璧に演じてました。 昔から演技力には定評がある役者さんなんで、そんなミスはしないか。(´ー`)┌ おどけたひょうきんさで、飄々とした演技が非常に上手い人なので、個人的には “探偵事務所” シリーズ系のキャラクターが良かった気がする。 『相棒』 も 本作の主人公も、法を遵守する真面目な役ですからね。 ちょっと息抜きできる軽いキャラクターが欲しかったが。。。
肝心の内容は、期待していたんですが、残念ながら構成もシリーズ物としても面白味を感じなかった。 元々わたくしはリーガル・ミステリーが好きでなく、それが原因かもしれませんね。 全てにおいてリアルに作られてしまうし、堅苦しいというイメージがよくない。 法廷シーンなんて、型で押したようにどの作品も似たり寄ったりだしね。 そうなると、登場人物のキャラクターを活かすしかないのですが、牧宏は変人なんですが地味な役柄なんですよね。 見慣れてないせいなのか、いつもの(笑)スーツに眼鏡姿の方が若くみえてしまう。 ミステリーとしても、犯罪の動機だったり、犯行方法、犯人が誰かにおいてもすぐにわかってしまうところが致命的です。 現実的な法廷という場所で、犯罪を明らかにしないとお話にならないため、どうしても決定的な物的証拠もしくは、容疑者を自白に持っていけるだけの論理的証拠がないと、ドラマとしては成立しづらい。 しかし、視聴者としてはアッと驚くような展開や、トリックを期待してしまうわけで、そのバランスが非常に難しいと思う。 本作の場合、意外性という点では全く期待できない。 牧が証拠として取り上げた物は、一昔も二昔も前からよく使われている物だし、利用の仕方さえありふれたものだった。 さらに、決定的な証拠となる鑑定結果というのもかなり偶然に頼ったご都合主義的なもの。 物語とは関係ないのですが、とにかく画面が始終暗かったのもマイナス要素である。 顔の判別がつかないほど暗くする意図がわかない。 観づらいので次回は改善して欲しいですね。 良いとこなしで、一体何を楽しみに観ればいいんだと自分でも思うが、法廷ミステリーらしくやっぱり、牧と犯人(もしくは証言者)とのかけ引きなのかなぁと思う。 常道ですが、それこそが法廷ミステリーの見せ場ですしね。 それを観るドラマ。。。ですかね。
※ これ以降ネタバレしてます。
本格ミステリーと思って観てしまうと確実に肩透かしを食らうので、本作は、弁護士と出廷者(犯人とか証人など)の対決や、かけ引きを楽しむものとして観た方が良いかと思う。 そのため、あまりにもバレバレの犯人や、トリックについては書くことがない。 唯一、良かったのが、犯人が計画した復讐トリックとでもいうべき罠ですよ。
物語は、群馬県郊外の深夜、元裁判長をしていた滝川という老人が、車でひき逃げされて死亡する。 そのひき逃げ犯として逮捕されたのが、元警察官である堀内という男。 彼の車には滝川をひき逃げをした痕跡があり、滝川の死亡推定時刻に、犯行現場付近のスナックで酒を飲み、そのまま飲酒運転をして自宅に戻っていた。 物証は全て、ひき逃げ犯は堀内であると指し示していたが、本人は断固として否認を続けていた。 業を煮やした取調べの警察官が、自供すればなんとかしてやると言葉巧みにそそのかす。 堀内はその言葉に騙されて自供してしまう。。。 実はこの一連の展開は、実際にひき逃げを行った真犯人の計画的な罠であり、その裏には、16年前に起きた菊山事件(冤罪で獄中死した矢代)の復讐をするという目論みが隠されていた。 菊山事件で矢代を逮捕し、取調べを行っていた警察官が堀内であり、裁判で判決を下した裁判長が滝川だった。 矢代も堀内のように、非合法的な取調べで、自供をしてしまった経緯があるため、真犯人の川北としては、同じような目に合わせてやろうと考えたわけです。 関係ないですが、この川北役の役者さんが、お笑い芸人のおぎやはぎのおぎにクリソツだったのでバカうけです。(笑)
堀内に不利な物的証拠をでっちあげ、まんまと矢代と同じように冤罪で陥れる事に成功します。 これで復讐は達成と考えても良いかと普通は思いますが、川北の場合、矢代の妹に好意を寄せていることと、彼女が老い先短い病人であるため、亡くなる前に、何が何でも矢代の冤罪を堀内に認めさせ、社会的にも名誉を回復させることが重要だった。 そこで川北は牧に、大胆な条件を提示し取引を持ちかけます。 堀内が法廷で、菊山事件で証拠を捏造し、矢代に対して違法取調べを行った事実を証言させることを条件に、ひき逃げ事件の全てを告白するというものだった。 川北はすげぇ作戦練ってきやがったなぁ〜と感心。(笑) ここまでありきたりで、地味なサスペンスドラマだっただけに、この急展開はすごいです。 ひき逃げ事件を覆すだけの証拠が無いだけに、20年の刑務所暮らしで、そこで死ぬか、社会的制裁を食らうが、シャバで生活するかの二者択一を堀内は迫られ苦悩する。(笑) そして、何故か、弁護人である牧さんは、どうにも怪しげな川北の取引に大賛成して、堀内に選択を薦めます。。。'`,、('∀`) '`,、 どう考えても、刑務所暮らしは嫌なので、必然的に選択は決まっちゃいますね。 とはいえ、そんなうまい話があるものなのか!? あっさり、川北の条件をのんでしまうんですが、やっぱりんなわきゃねぇよな展開で、川北が証言を翻すというどんでん返しをみせる。 さすがの牧さんも、そんなの打ち合わせにないよみたいな顔してびっくらこいてましたね。 してやられた牧さんですが、しぶとく川北がひき逃げ事件の真犯人である証拠を捻くりだして、見事解決するんですけどね。。。(´ー`)┌
法廷でのこの大どんでん返しで、地味でありふれた面白味のないドラマがちょっとだけ光った。(笑) 意外性のある展開は良かったですね。 ただ、川北を真犯人とする証拠が、頻繁に使われたネタでありつまらなかった。 被害者が身に付けていた腕時計が、轢き殺された衝撃で、リューズが破損してしまい、死亡時刻をごまかすことが出来なくなった為、文字盤のガラスを破壊することを余儀なくされる。 車で轢かれた程度の衝撃で、そこまで腕時計が破損することが無いという事が証明出来るという設定でしたけど、同じメーカーの時計を壊してみる。。。そんな単純なことで立証能力があるのか甚だ疑問ではある。 また、犯行現場で破壊した時のガラス片が、川北の自宅玄関に落ちていたっていう決定的な証拠とやらも、あまりにもご都合主義すぎる。 川北と取引する前に、捜そうと思えば捜せただろう。。。そんな証拠はと突っ込みたくなる。 それと最も犯人らしい容疑者の取調べでは、警官が無理やり自供させようとするのが習慣化されているような警察の描き方も無茶があるし、犯人にしても、警察の対応(取調べ)次第という偶然にたよった図算な復讐計画なのもひどいっちゃひどいですが。。。
意表を付く展開は良かったので、今後に期待はできるが、やはりミステリーとしての脚本があまりにも悪いので、シリーズ化はどうなることやら。。。
( ゚_ゝ゚) { 『真実を明かすだけで良かったんだ。』 それが出来なかったからややこしい事になってます。。。
|
 |