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::: 芸術劇場 ::: 芸術・演劇 ::: ★★★★☆
::: 2007年04月09日 放送
パリのオペラ座で史上初の歌舞伎公演が実現。 パリを熱狂させた初日をカーテンコールまでノーカットで一挙放送。 市川團十郎一門による家の芸「勧進帳」と「紅葉狩」を、フランス語による「口上」もあわせてお楽しみください。
市川團十郎、市川海老蔵、市川亀治郎、市川段四郎 他
とても面白かったです。 これまで生の舞台で歌舞伎を観たのは一回だけで、TVで観るのは初めてでした。 オペラ座では、フランス語の字幕が表示されていまして、TV放送では解説が副音声であったのですが、敢えて解説なしで無謀にもチャレンジしてみました。(´ー`)┌
演目は、 『勧進帳』 と 『紅葉狩』 そして フランス語での 『口上』。 『勧進帳』 も 『紅葉狩』 も元は “能” から派生したものであり、『勧進帳』 は、初代の市川團十郎が舞台化したことから市川家のお家芸となってるそうです。
『勧進帳』 のストーリーは、源頼朝に追われた義経(市川亀治郎)と弁慶(市川團十郎)の一行は、山伏に身をやつし、奥州(北陸)へと逃げようとする。 その道中、加賀国の安宅の関の関守・富樫左衛門(市川海老蔵)の厳しい取調べに、弁慶は主君である義経を、金剛杖で叩くことで、見事疑いを晴らし難を逃れるというもの。 歌舞伎では、義経に忠節をつくす弁慶に心打たれた冨樫は、義経と知りつつだまって関を通すという設定らしい。 ちなみに “勧進帳” とは、社寺や仏像の建立、修繕のために金品を募り集めるという主旨を記録した文書だそうです。 勧進帳の意味も知らずに見ていた自分が恐ろしい。。。(´ー`)┌ そういえば、途中で巻物(勧進帳)を広げて、弁慶が読み上げるシーンがあったんですよね。 何してるのかよくわからなかったのですが、関守の冨樫にモノホンの山伏で勧進を行っているのなら、勧進帳があるはずだから、それを読めと言われてたんですね。 なるほど。 『勧進帳』 で有名なシーンといったら、ラストで、弁慶が花道をスキップ(?)しながら退場するシーン。 スキップだと思っていたらステップは全然違かったです。(アホ) 何でも、飛び六方(とびろっぽう)という技だそうです。 そりゃそうだよね、スキップで退場じゃのどかすぎて締まらないっすよね。。。(´ー`)┌ 軽快で、勇ましいステップは、関越えできるぞやったね! っていう、一仕事終えたおっさんの気持ちがよく出てますよ。 オペラ座では、花道が作れなかったそうで、そこだけが悔いが残るなぁ。。。
『紅葉狩』 のストーリーは、これこそ全くあらすじを知らずに見たので、かなり脳みそフル稼働しました。'`,、('∀`) '`,、 所は信濃国戸隠山、紅葉に訪れた平維茂(市川團十郎)が、美しい姫・更科姫(市川海老蔵)とその従者たちに酒宴の席に誘われます。 さらに更科姫の舞いを見ているうちに、維茂はうつらうつらとして眠ってしまいます。 そこへ山神(市川亀治郎)が現れ、更科姫は美しい姫に化けた人喰い鬼だと知らせます。 眠りから覚めた維茂は、抜刀し、正体をあらわにした鬼女を退治するというもの。 酒宴の席で、眠りこける維茂を見て、あれ、何で寝ちゃうんだろうと思っていた矢先、美しい姫を装っていた更科姫の表情が、まさに鬼のように険しくなったもんだから、狐か何かが化けてるのかとわかった。 実際は、狐よりも恐ろしい人喰い鬼でしたけど。(´ー`)┌ 維茂が寝てしまったのは、鬼女の舞が眠りを誘う魔力だったってことなんですかね。 その後に登場してきた山神(市川亀治郎)は、笑ったなぁ。。。 荒ぶる神様に見えないよ。。。(´ー`)┌ 良くても座敷童だよ。。。 謎だったのが、維茂を眠らせたのに、何故か、鬼女は舞台の袖に引っ込んじゃうんですよね。 その間に山神が危険を知らせるというシーンがあるのですが、何で、眠らせたらすぐに維茂を食べなかったのか不思議だった。 妖怪(?)なので、夜にならないと力を発揮できないとか。。。? それと、ラストは松の巨木の上に鬼女を維茂が追いつめたところで、終演してしまったので、鬼女を退治したのか、しないのか、わからず仕舞いでした。。。 よく映画でも使われるように、余韻を残すための演出なんですかね。謎。
歌舞伎を真剣に観たのはこれが初めてといってよいので、面白かったけれど、正直、歌舞伎がどういうものかはまだわかりません。 歌舞伎役者の演技も、上手なのか下手なのかもわからない。 数をこなして見るのが1番でしょうけど。 ただ、團十郎さんと、海老蔵さんの演技の違いはど素人でもよくわかった。 一言でいえば、 “格が違う” です。 当たり前だが。 スキャンダルな話題ばかりが目立つ息子とは比べようもないです。 なんというか、当り障りのないというのでしょうか、そつなくこなしているのですが、単に、教えられたことを完璧に再現しているだけで、演技しているのとは違うようにみえました。 けど、海老蔵さんはとにかくツラがまえが良い。 化粧栄えするので、隈取もキレイだ。 でも、女形だけはやっぱデカいし、ちょっとキモ(オカマ)系。。。かな? (´ー`)┌
なんだかんだいって1番見てて面白かったのは、フランス語での 『口上』 かもしれない。 皆さんよくあれだけフランス語の文章を丸暗記したなぁと感心。 世界で1番発音が難しいとされている言語が、フランス語と中国語だからねぇ。 しかも、團十郎さんの口調が歌舞伎調なもんだから、尚笑える。 他の役者さんは対して長くもない文章なのに、ど忘れ(すぐにおもい出せるとこはすごいけど)してましたが、團十郎さんはすごい、一言一句間違わないで、ペロっと喋ってしまいました。。。 やはり、日本の誇り(伝統)という重責を担っている人は違う。。。 あと、亀治郎さんの “『オペラ座の怪人』は好きだがシャンデリアが落ちてこないか心配” というジョークは、フランス人も爆笑。 本人も、 “ウケた♪” とご満悦な事でしょう。(´ー`)┌
また機会があったら見たいですね。 わたくしは貧乏暇なしなので、NHK 『芸術劇場』 のお世話になると思いますが。
( ゚_ゝ゚) { 亀ちゃんの信玄は、ちょっと小粒なところが心配。。。
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