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::: NHKアーカイブス ::: 社会・ドラマ ::: ★★★★★

76年2月から土曜ドラマで始まった『男たちの旅路』シリーズは、77年まで4シリーズ13話が放送されました。戦時中特攻隊員で、今は警備会社に勤める吉岡(鶴田浩二)が、若い部下たちとともに毎回事件に巻き込まれます。
世代間のギャップや社会問題をテーマにそれぞれ一話完結で放送されたドラマです。
ドラマのクライマックスでは吉岡が若者に向かって、厳しく、愛情のこもったお説教をするのが見せ場でしたが、今回お送りするシルバーシートでは、吉岡より年上の老人たちと向き合います。

::: 2005年10月09日 再放送(1977年11月12日 初回放送)

空港警備を担当している陽平(水谷 豊)と悦子(桃井 かおり)は本木(志村 喬)という老人と知り合う。
誰彼となく声をかけ、話したがる本木はガードマンから疎まれていた。
陽平と悦子は、そんな本木が気になっていた。ある日、本木は空港内で倒れ亡くなる。
陽平と悦子は本木のいた老人ホームを訪れた。
そこで、本木の友人たちに思わぬもてなしを受ける。
ところが数日後、老人たちは都電車庫の一車両に立てこもり占拠してしまう。
口を閉ざし立てこもった理由さえ話そうとしない老人たち。
途方に暮れた陽平たちは上司の吉岡(鶴田浩二)に相談する。
一夜明け、吉岡は老人たちを説得するため電車に乗り込んだ。
そこで明らかになった老人たちの思いとは・・・。



NHKアーカイブスで、芸術祭テレビ部門・大賞受賞作品を紹介するという企画で、ドラマ「男たちの旅路」第3部〜シルバーシート〜が放送されました。
ドラマが好きでないわたくしとしては珍しく、番宣に惹かれ見てしまいました。
とても面白かったです。
ビデオとかあったら是非、全話を通して拝見したいです。(´v`)


NHKらしく、堅い社会問題を取り上げているにもかかわらず、演出や、出演者の個性が際立っているせいか、コミカルにも見える面白さがあった。
社会問題と言っても、普遍的なテーマなので、当時から30年近く経った今でも充分見られる。
半分ドキュメントを見ているような気になるし、身近な人達の間で起こる、身近なテーマなので、自分のことのように真剣に考え、見入ってしまいました。


今回放送された 『シルバーシート』 は、老人ホームで生活をしていた老人達が、仲間の死をきっかけに、車庫に停車している都電に立て篭もる。
ホーム長、車庫長、警備員の陽平(水谷豊)の説得にも応じず、陽平の上司・吉岡(鶴田浩二)が彼らを説得するため、一人電車に乗り込む。

普段、若者に説教している吉岡が、逆に老人達に厳しいセリフを言われる。

『我々は営々と働き続けてきた挙句に使い捨てられたのだ。あなたも同じだ。いつかはわかる』
『あんたは若いから理屈で納得できる。年を取ればわかる』


年を取り、心身が衰えたというだけで、疎まれ、邪魔者とされる。
道の端を歩き、若い者に遠慮しながら生きている。
自分達は、はじめから老人だったわけじゃない、若い頃は、働いて社会に貢献してきた。
そんな自分達に敬意を表する者はいない。


このドラマを見ながら、ずっと疑問を抱き続けていた。

何故、老人達は電車という場所に立て篭もったのだろうか?
何故、要求がストレートに受け入れられやすい手段を選ばなかったのだろうか?


その答えがわかったのが、ラストで吉岡が都電に乗っている時に凝視していたシルバーシートだった。
それは、電車のシルバーシートという場所が、老人達の現状を最もよく表現しているからではないか?
老人というだけで、端に追いやられる場所。
老人ばかりが集められる老人ホーム。
よくよく考えてみればこんな不健全なものはないように思う。
みんな若者が老人の為にと作ったものだ。
しかしそこに老人達の意志や、本当の気持ちが反映されているのだろうか?
老人の為にと思っていたことは、実は自分達の傲慢な思い込みなのではないのか?
老人なんだからシルバーシートに座ればいい、座るのが当然という若者の考えは、自己中心的で、思いやりに欠けているのかもしれない。
シルバーシートに座る老人には気づいても、シルバーシートに座らない老人に気づく若者が果たしているだろうか?
老人達はそんな自分達の気持ちをたやすく理解されることがないということを知っているのだ。
だからこそ、たくさんの人達に、真剣に考えて欲しかった。
重く受け止めて欲しくて、叱られた子供が押入れに隠れて駄々を捏ねるように、都電に立て篭もり、なぞなぞのような問いかけを若者に残したのでしょう。


老人達は都電を占拠したことにより、警察に連行されていきます。
ハッピーエンドで終わることも、問題が解決されることもない。
つまり物語りは終わったわけではなく、観た人がこれから考えられるような構成になっている。
また、物語のタイトル「シルバーシート」が、老人問題を扱う上で、安易につけられたタイトルだったわけでなく、ドラマ全体が緻密に計算されて作られていることがわかる。
学校教育の教材として使われても不思議ではない優れた作品だ。


内容以上にすごかったのが、役者の顔ぶれ。
鶴田浩二、笠智衆、水谷豊、桃井かおりと演技派、個性派ぞろい。
このメンバーでドラマが面白くならないわけがない!
特に最近ではドラマ 『相棒』 で、落ち着いた大人の役が板についている水谷豊のはっちゃけた演技が素晴らしい。'`,、('∀`) '`,、
昔も今も変わらないのは、独特の存在感でクセのある人だということ。(´v`)






(  ゚_ゝ゚)  { シルバーシートは現在では、“優先席”と名前を変えたが、その本質は何も変わっていない。






テーマ:TV番組 - ジャンル:テレビ・ラジオ







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