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::: その時歴史が動いた ::: 歴史 ::: ★★★☆☆
::: 2007年05月16日 放送
日本ミステリーの生みの親・江戸川乱歩。大正時代、日本で初めて本格的トリックを用いた作品「二銭銅貨」でデビューして以来、戦後にいたるまで日本ミステリー界を牽引し続けたパイオニアである。 トリックや頭脳的な推理を中心とした本格もの、怪奇・幻想的なタッチで人間の欲望に迫った短編群、エロスとアクションが満載の娯楽長編、また子供世代の冒険心と想像力をかきたてた「少年探偵団シリーズ」。 今日の「虚構の世界で人間存在の本質に迫る」日本ミステリーの幅広さを生み出した。 大衆化の進む昭和初期、乱歩は、大衆の目を意識した娯楽作品を書くことで、その普及を訴えたが、日中戦争・第二次世界大戦によって、大衆社会は失われミステリーもまた絶滅の憂き目を見る。 時には作家、時にはプロデューサー的な役割、と相反する2つの顔で苦悩や挫折を繰り返してきた江戸川乱歩。 番組では乱歩自らその葛藤を綴った自分史のスクラップ「貼雑(はりまぜ)年譜」などを手がかりに、乱歩が日中戦争・太平洋戦争をいかに乗り越え、戦後、ミステリーを復興させ、大衆文化の一ジャンルとして確立させるに至ったのか、その苦闘を追う。
え! 何で横溝正史じゃないの!? とか思ったんですが、まぁ、横溝正史は戦後の“本格”ミステリーの旗手であって、ミステリー自体の礎を築いたといったら、江戸川乱歩ってことなんでしょうね。
作家としての乱歩は正直好きではない。 わたくしが知った時は既に、推理小説というよりは、怪奇小説とか、猟奇小説といったイメージが定着していて、特に昔の本の表紙が気味が悪いものばかりで、とてもじゃないが手を出したくなかった。'`,、('∀`) '`,、 わたくしは梅図かずおのような気持ちの悪い作品はダメなので、いまでも乱歩の作品は読んでいない。 子供向けのミステリーである 『怪人二十面相』 なんかもわたくしが子供時代には本の表紙が気味が悪くて、どうせ読むならコナン・ドイルの 『シャーロック・ホームズ』 の方が良いと思ってそっちに目が向いていた。 また、土曜ワイド劇場で、天知茂が明智小五郎役で乱歩の作品をドラマ化していたのですが、大人向けなシーン(ちょいエロ)があったので、子供心にこれは見てはいけないドラマなんだと思い込んでいたこともあり、乱歩の作品には馴染みが無い。
今回のプログラムで、乱歩自身の人となりを知ることができたことは、彼の作品を読む上で結構役立ったと思う。 特に乱歩の若い頃の肉声や、映像を観れたのは面白かった。 晩年の写真しか見たことがなかったので、話し方ひとつとっても江戸っ子のようにサバサバした口調に、歯に着せぬ物言いで、頭の回転は速さそうだというのが印象的でした。 もっと寡黙で、偉そうなイメージを持っていたのですが、戦後間もない時代に、映写機(八ミリ?)を持って撮るのが趣味だったという乱歩のミステリー作家らしい新し物好きなところや、稚気さや、好奇心旺盛な部分も垣間見れた。 同じようなタイプには日本のアガサ・クリスティと言われた山村美紗がいるなと考えると、なんだか感慨深いものを感じます。
乱歩の功績は、日本初のミステリー小説を生み出したことだけでなく、戦後、壊滅状態だったミステリー小説を復活させ、後進の育成に努めたということにあると思う。 彼が自分さえ良ければよいというような1人勝ちな狭い了見の持ち主だったら、現在のように多様化したミステリー界は無かったかもしれない。 彼が発足した 『探偵作家クラブ』(のちの日本推理作家協会) からは、横溝正史、山田風太郎、松本清張、森村誠一他、錚錚たる作家を発掘した。 プロデューサーとしての手腕は、推理作家以上にあったんですね。
番組では森村誠一をゲストに迎えて、乱歩だけでなく、ミステリー小説について解説してました。 彼の解説も興味深かったです。 “ミステリー小説は、民主主義社会でないと成熟しない” という意見には唸らせるものがある。 確かに、戦争してるような基本的人権を蔑ろにする時代に、ミステリーは壊滅させられたのですから。 ミステリー小説は、民主主義社会における1つの指標でもあると。。。 ミステリー小説が下火になっている現状を考えると、ちょっと危機感を感じるよなぁ。。。
( ゚_ゝ゚) { 『お話の最後には必ず、その種明かしがある。そこで、ああそうだったのかと満足する。』 種明かしと満足、これがミステリーの必須条件。
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